GIFの罠

私は現在大学の卒業研究で、HTMLパーサを作成している。HTML文書を読みこんで、それなりにレンダリングするやつだ。それと同時に文法チェックやアクセシビリティ上の注意を指摘したりする。考え方としては、Amayaに近いものがあるだろう。ただし、HTTPユーザエージェントとしての機能は恐らく付けないと思う。私個人で現在のWebブラウザのようなユーザインタフェースを完成させるのは無理難題極まりない。
だけれども、ある重要な点に気が付いた。重要というよりはむしろ致命的である。GIF画像を表示できないのだ。
ご存知の通り、GIFに使われている圧縮アルゴリズム『LZW』はUnisys社ががっちり抑えている。このアルゴリズムを何らかの形で利用する場合(表示含む)、例えフリーソフトと言えども数百ドルというライセンス料を支払わなければならない。もちろん私にはそんな大金が払えるわけは無いし、大学だって同じだろう。
残念な事に、現在普及している画像フォーマットの数十パーセントはGIFが占めている。GIFを表示できないWebブラウザを作ったとしても、多くのサイトは閲覧に支障を来たすに違いない。日本でLZW法のの特許が切れるのは、2004年6月。私が卒研を発表するのは2004年2月。私は、一体どうすれば良いのだろうか。
「特許を取ったのだからその使用料も取る」というのは著作者に当然与えられた権利なので、それ自体に文句をつけるつもりはないけれども、フリーソフトが普及した後になっていきなり課金し始めるというUnisys社のその姿勢には、「格好悪い」とだけ言っておきます。