preに対する不満

便利で重宝するpre要素だけれど、これには唯一不満な点がある。「自動的な語の折り返しを不可能にしてよい。」 との項である。
普通にHTMLを記述する分には画面解像度やブラウザウィンドウの幅を気にする必要は全く無いのだけれども、pre要素では結果的にそれが求められてしまう。本質から言うならば、横スクロールが出ようが出まいが、マークアップ前のテキストの改行がそのように記述されているならばそれを尊重すべきだが、現実の話そんな事は言っていられない。横スクロールは出きうる限り避けたいところである。
HTML3.2時代にはwidth属性が存在したが、まともに実装してくれるUAは少なかった。NetscapeNavigatorは独自にwrap属性を拡張して、自動改行を促す事が出来た。流れからすればそれらはCSSに受け継がれるはずである。
私が知っている限り、第2水準のCSSでは「空白は尊重するものの、自動改行は禁止しない」というスタイルには整形できない。pre要素を使うときには現在一般的な画面解像度を意識しなければならず、結果的に「ソースを新たに改行する」という行為に陥ることもある。プラットフォームを問わない言語としては、非常に残念な話だ。もちろん「してもよい(may)」であるから、必ずしも仕様書が悪いわけではない。
今さらwrap属性を定義しろとは言わないけれど、CSS3には是非とも期待したいものである。